演歌歌手三山ひろし(35)が21日、高知・四万十市で新曲「四万十川」のヒット祈願イベントを行った。昨年末、念願だったNHK紅白歌合戦初出場を果たした。それから初めての故郷・高知への凱旋(がいせん)となった。

 最初に、歌詞にも出てくる四万十川にかかる同市の名所・佐田沈下橋を訪れ、多くのファンに見守られながらヒット祈願した。「歌手デビューする前から応援をしてくれている人もいました。ここまでになったという姿を見せられて良かった」と感謝した。

 500年を超える歴史を持つ不破八幡宮に移動。約1000人の前で市長から「四万十市観光大使」に任命され、新曲の歌唱奉納を行った。「こじゃんと(すごく)うれしいぜよ」と、お国言葉で呼び掛けて「この高知から大きく羽ばたく。やるぜよ!」と気勢を上げた。今年の目標を聞くと「紅白連続出場です」ときっぱり。「『四万十川』は昨年発売した『お岩木山』の10万枚のさらに上、100万枚を目指します」と大きく宣言した。

 貧しい母子家庭で育ち、高校卒業後は地元に就職。歌手の夢を諦めずに上京したのは25歳だった。「歌手になって故郷の曲を歌いたい」という夢が、10年たってついにかなった。「四万十川は、多くの支流が集まって四国で最長の川になった。同じように、多くの人の支えがあって今の三山ひろしがある。この曲を必ず全国に届けます」。遅咲きの年男が、故郷でさらなる飛躍を誓った。【松本久】