生田斗真(31)が、映画「彼らが本気で編むときは、」(荻上直子監督、来年2月25日公開)に主演し、「女性」役を演じることが20日、分かった。子どものころから性同一性障害に悩まされて、心と体の性が一致しない「トランスジェンダー」という異色の役を務める。

 生田演じるリンコは、小さいころから自分が女性だと思っており、実生活とのさまざまな不一致に悩みながらも、家族の理解もあって成長していく。のちに性別適合手術を受け、現在は32歳に。戸籍は男性のままだが、女性として老人ホームの介護士をしている。桐谷健太(36)演じる恋人のマキオとともに暮らしており、マキオのめいっ子で育児放棄されたトモ(柿原りんか)も招き入れ、3人での共同生活が始まる。手料理をふるまったり、母親のようにトモに愛情を注いだりするシーンもある。

 既にクランクインしており、生田は「撮影に入ってみて、難しい役だとあらためて実感していますが、こうした役をいただくことはそうないことですし、全力で取り組んでいます」と話した。荻上監督は「とにかく、この役はきれいな顔の男優さんにやっていただきたかったので、生田さんにお願いしました。トランスジェンダーという難しい役どころを一緒に作り上げていってくださると直感で感じました」と期待を寄せている。

 ◆性同一性障害(せいどういつせいしょうがい) 肉体上の性別と、自分の性別が異なると確信している状態。04年7月から施行した「性同一性障害者の法令上の性別の変更を認める性同一性障害者特例法」では、性別適合手術を受けることなどの一定条件を満たした性同一性障害者が、医師の診察結果などが掲載された診断書を提出し、性別取り扱いの変更の審判を家庭裁判所に請求できると定められている。心と体の性が一致しない人に対する幅広い表現として「トランスジェンダー」という言葉もある。