俳優ディーン・フジオカ(35)がAmazon(アマゾン)プライム・ビデオで配信する連続ドラマ「はぴまり~Happy Marriage!?」(全12話、6月下旬配信)に主演することが1日、分かった。NHK連続テレビ小説「あさが来た」で「五代様」として大ブレークしたが、今回の撮影では忙しさに流されず、1つ1つの仕事に丁寧に臨む姿勢を感じさせた。日本で配信開始後、米国、ドイツ、英国、オーストリアで配信予定。

 2カ月に及ぶ撮影は1日朝から始まった。ディーンはタキシードに身を包み、東京・ブルガリ銀座タワーでヒロイン役の清野菜名(21)とウエディングシーンに臨んだ。

 原作は漫画家円城寺マキ氏の同名人気漫画。契約結婚から本当の夫婦になるまでの男女の成長を描く。ディーンは大財閥の後継者に指名された優秀なイケメン御曹司を演じる。

 役柄に合わせ体重を増やした。「(来年放送の)ドラマで体重を落としてと言われてやせたら、やせ過ぎじゃない? と(笑い)。説得力がなくなるので(体重を)ある程度戻して、たたずまいや体から(御曹司の)自信や覚悟を表そうと思いました」。

 撮影1週間前は別の仕事で各地を回る移動の連続だった。「食欲だけ増えてトレーニングの時間がなく、そこに葛藤はあります」。炭水化物の摂取量を一気に増やすなど食生活の変化で準備を進めた。

 「あさが来た」出演直後に撮影したTBS系連続ドラマの収録現場には連日、女性週刊誌の取材が殺到。各誌がその動向を追い掛けるなど、時の人となった。俳優業は、綾瀬はるか(31)主演のNHK大河ファンタジー「精霊の守り人」出演や、寺尾聰(68)と父子役のNHK特別ドラマ「喧騒(けんそう)の街、静かな海」主演が決定。歌手としても、08年から約5年間制作した幻の音源をアルバムとして3月末に緊急発売した。CM契約もアサヒ飲料など4社に上り、多方面で大活躍している。

 「チャレンジしたことがない活動の機会をたくさんいただけたことは、すごくありがたいこと。そういう意味では、朝ドラ、五代さんがもたらしてくれた効果はあったと思います」と「五代様効果」に感謝した。そして「後世に何を残すか。五代さんの魂みたいなものは一生、自分の中にあり続けると思っています。忘れることはないですよね」。人気に甘んじることなく、真摯(しんし)に仕事に取り組み続けている。【近藤由美子】

 ◆「はぴまり~Happy Marriage!?」 借金苦からキャバクラに勤める千和(清野)は、金持ちの客、北斗(ディーン)と大げんかしたが、北斗から翌日、契約結婚を提案され、借金取り立てに困っていたこともあり、これを受け入れる。制作側はディーンの起用を「オーラや風格があり、一見近寄りがたくもあるけれど心根は優しさにあふれていてその笑顔にやられてしまう。そんなキャラクターにピッタリ」と話す。