嵐の大野智(35)が、「忍びの国」(中村義洋監督、来年夏公開)で映画としては初めて時代劇に主演、伊賀一の忍者を演じることが30日、分かった。「のぼうの城」などで知られる和田竜氏の同名小説が原作。同氏は脚本も担当する。7月にクランクイン、10月撮了予定。主人公の無門(むもん)は、他を圧倒する力や術があるが、普段はどこか抜けている男。大野は「史上最強と呼ばれる忍者の役なので、アクションや格闘シーンがたくさん出てきますが、久しぶりにご一緒する中村監督の描く世界観に応えられるよう、精いっぱい頑張りたいと思います!」とコメントした。

 11年公開「映画 怪物くん」以来のタッグとなる中村監督は、大野起用の理由を「無門はとんでもなく破天荒で自由。大野さんの役に入った時のえたいの知れなさ、予想外で規格外のところが似ている」と話した。和田氏も「聞くところによると、大野さんは変わり者らしい。変わり者の主人公を、うまく演じていただけたら」と期待している。

 無門は2口の小刀を操るため、大野も小刀の稽古を始めた。放送中の日本テレビ系「世界一難しい恋」と並行しての準備だが、大野は「社長から忍者へ、新しい自分を出せるようチャレンジしてみます!」。

 これまでの忍者ものとは一線を画し、現実離れしたアクションではなく、根拠の分かる術を見せるため、なるべく吹き替えなしで撮影する予定だ。とはいえ、手裏剣を素手で取ったり、ささったやりの柄を足場に跳躍するシーンもある。ダンスで培われた大野の身体能力が発揮されそうだ。

 ◆「忍びの国」 舞台は戦国の世。織田信長の次男信雄(のぶかつ)は、伊賀攻略を狙っていた。無門は伊賀一の忍びと呼ばれているが、無類の怠け者。伊賀と侍の戦いには興味はなく、女房のお国に稼ぎの少なさを責められる毎日だった。しかし、戦いが始まると、図らずして無門も巻き込まれていく。1578年と、1581年に起こった天正伊賀の乱が背景。