NHKは12日、柴咲コウ(34)主演の次期NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(来年1月8日スタート、日曜午後8時)の新出演者会見を都内で行った。今川義元を演じる春風亭昇太(56)は、日本テレビ系「笑点」(日曜午後5時半)の新司会に続く大役となるが、実は大河ドラマ3度目の出演。視聴者の印象にあまり残っていないことを自覚しており「今回も分からないと思います」と笑わせた。菅田将暉、菜々緒らが出席した。

 昇太はこれまで大河ドラマで、14年「軍師官兵衛」では黒田長政の家臣だった毛屋主水(けや・もんど)、15年「花燃ゆ」では囚人の平六という男を演じた。「過去2回出ていますが、覚えてないでしょう」と自虐的に切り出すと「メガネを外して出ているので、ほぼ誰だか分かりません。今回も分からないと思います」と言って笑わせた。

 演じる今川義元は現在の静岡県にあたる駿河や遠江を支配した戦国時代を代表する大名の1人。柴咲演じる井伊直虎をはじめ、井伊家を強力な武力で屈服させた男だが、桶狭間の戦いで織田信長によって滅ぼされる。静岡県出身の昇太は義元に強い思い入れがある。「ちょっと前の義元は雑に扱われることが多かった。僕は地元の戦国大名なので愛しているんです」。さらに「NHKから『決して今までのようなダメっぽい感じの人ではない』と言われたので、ぜひやりたいと言いました」と明かした。歴史好きで今川家も「大好き」という。「普段の着物も今川家の家紋を勝手に使っているくらい愛しています。非常にうれしい」とご満悦の様子だった。

 義元はこれまでの時代劇で、英雄扱いされる信長の引き立て役として愚かなイメージも多かった。「誤解も多いので今川家の復権ができると期待しています。そのためにも頑張りたい。静岡県の人に怒られないように演じたい」と話した。

 大河ドラマと同じ日曜日放送の国民的番組「笑点」の司会を桂歌丸(79)から引き継いだばかり。この日は「普段は並ぶと周りはおじさんだらけ。こんなに肌のフレッシュな人と並ぶことはないので撮影が楽しみ」と笑わせた。

 NHKの制作統括の岡本幸江氏は「ドラマの義元のイメージは井伊家には非常に怖い存在。そこのイメージをひっくり返してほしかった。『笑点』の司会で新たなステップを踏み出した昇太さんなら、違う面を出していただけると思った」と期待を寄せている。

 ◆おんな城主 直虎の出演者 ヒロイン直虎のいいなずけ井伊直親の遺児で井伊家の嫡男直政を菅田将暉(23)、徳川家康の正室の築山殿を菜々緒(27)が演じる。2人は大河ドラマ初出演。他に義元の嫡男氏真は尾上松也、義元の母寿桂尼は浅丘ルリ子、家康は阿部サダヲ。阿部は13歳当時から演じる。会見は欠席したが、市原隼人、井上芳雄、高橋ひかる、花總まり、和田正人、小松和重も出演。