東宝「ゴジラ」シリーズ最新作「シン・ゴジラ」(樋口真嗣監督、29日公開)の完成会見が19日、都内で行われ、脚本と総監督を務めた庵野秀明氏が異例の謝罪を行った。

 今作の製作に入ってから、ライフワーク的作品でもあるアニメ映画「新世紀エヴァンゲリオン」の新作製作が滞っており、会見冒頭に深々と頭を下げた。「最初に謝っておきたいことがあります」と切り出し「『エヴァ』のファンの方には本当に本当に本当にお待たせしています。あれから4年。ほんとにすみません。その分こっちも頑張ってやってましたので、お許し下さいとは言いませんが、少しでもご満足いただけるものになればと、頑張ってやりました」と話した。

 完成会見で、別作品の謝罪をする異例の言動に、会見場は異様な雰囲気に包まれた。

 庵野氏は自らの作品作りを「1試合完全燃焼」と表現し、12年「エヴァンゲリヲン新劇場版:Q」でいったん燃え尽きたという。

 「次は(ゼロから)立ち上がるところから始めないといけないタイプ。それを(新劇場版で)3回もやってしまった。『Q』の後、『もうこのまま2度と作品というものを作らないかも』というところまで追い詰められた」と明かした。

 そんな時にオファーがきたのが「シン・ゴジラ」だった。「僕自身、救われた気がした。この作品に救われている。そのおかげで、また『エヴァンゲリオン』という作品を作り続けられると思う」。まったく違う作品に携わることで、心身ともにリフレッシュしたようで、エヴァ新作の製作にも意欲を示した。

 「シン・ゴジラ」はフルCGを駆使しつつ、1954年公開の初代ゴジラのインパクトを意識したという。「ゴジラファン、特撮ファンには満足していただけるのでは」と自信を見せていた。