歌手の中森明菜が、芸能活動休止中の2013年、女性週刊誌「女性セブン」に隠し撮り写真を掲載され精神的損害を受けたとして、発行元の小学館と男性カメラマンに2200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は27日、550万円の支払いを命じた。

 水野有子裁判長は「撮影は違法で、苦痛は甚大。芸能活動の再開に影響を与えた可能性も考えられる」と指摘した。

 判決によると、カメラマンは13年11月、病気療養中だった中森さんが当時住んでいた都内のマンションから約45メートル離れたアパートから望遠レンズで、室内にいた中森さんを撮影。11月7日発売の女性セブンに写真が掲載された。

 カメラマンはのぞき行為だとして軽犯罪法違反罪で東京簡裁から略式命令を受けた。

 水野裁判長は「小学館は掲載が違法と知りながら、会社ぐるみで不法行為をしたと認められ、コンプライアンス上の問題は大きい」と指摘。中森さんは体調が悪化し転居を余儀なくされたことから、活動再開への影響にも言及した。

 その後、中森さんがテレビに出演したのは、14年末のNHK紅白歌合戦が最初だった。

 小学館広報室は「判決を精査の上、しかるべく対応する」とコメントした。