リオ五輪の体操男子団体総合で日本代表が金メダルに輝き、エース内村航平(27)が“勝負曲”と公言する楽曲を歌うヒップホップ歌手、AK-69(37)も9日、悲願達成を喜んだ。内村は試合前に聴く勝負曲にAK-69のシングル「Flying B」を挙げている。AK-69はテレビで中継を見守ったという。「最後の種目だった床の最後の着地を決めた瞬間、自然と涙があふれました」。

 内村は、所属するコナミスポーツの同僚選手がAK-69の楽曲を聴いていたことから興味を持ったという。AK-69の14年日本武道館公演のチケットを購入して観賞した。AK-69は15年にテレビで内村が試合前に必ず聴く曲に自分の楽曲を挙げたことから、初めて内村がファンであることを知ったという。

 2人が初対面したのは今年1月。埼玉のコナミスポーツ練習施設を激励に訪れた。内村選手の印象を「寡黙な印象ですが、内に秘める熱い闘志を感じました」。さらに「休みが水曜日みたいで、水曜日にライブをしてほしいとも言われました」と明かした。

 その場で内村選手に翌2月発売の新曲「Flying B」のデモ盤を手渡しした。同曲は重厚なビートに、闘志が沸き立つような熱いリリック(歌詞)を乗せた楽曲。「『地べたから来た男の背中には今羽が』。まさにこの歌詞の通り、その背中に生えた羽が見えた気がしました。こんな俺なんかの曲を、今回のこのシーンの中でも共にしてくれてたかと思うと、本当に光栄極まりないよ」と大感激。そして「個人や種目別でも内村君の真の『強さ』を世界に魅せつけてやろう! これからも共に己と闘い続けて行きましょう」とエールを送った。

 ◆AK-69(エーケーシックスティーナイン)1978年(昭53)8月28日、愛知県小牧市生まれ。17歳でヒップホップに出会い、名古屋市内でライブ活動などを開始。04年KALASSY NIKOFF(カラシニコフ)名義のアルバム「PAINT THE WORLD」でソロデビュー。拠点とする名古屋市から音楽を発信し続けている。多くのプロ野球選手やアスリートから支持されており、DeNA筒香嘉智外野手も最近から、内村と同じ「Flying B」を登場曲に使用している。