横須賀市民による、横須賀の映画「スカジャン兄弟(ブラザーズ)」の製作が本格化している。同映画は、近年人口減少全国ワースト1とされるなど、衰退が叫ばれる神奈川・横須賀市を活気づけようと横須賀高OBの矢城潤一監督(54)とその同級生を中心に決起。「まるごと横須賀の映画をつくる会」を設立して、2年前から準備を進めてきた。製作費5000万円も市民と地元企業を中心に協賛金を呼びかけてきた。このほど、窪塚俊介(34)の主演、村松和輝、武藤寛ら地元出身の実力派俳優の出演が決定した。

 追い風になっているのがスカジャンブームだ。今年のパリコレでグッチ、ルイ・ヴィトンなど主要ブランドが、大きな絵を描いた上着を発表。どう見ても横須賀生まれのスカジャン(横須賀ジャンパー)で、市内の専門店に若い女性が相次いで訪れている。

 矢城監督が目指すのは街を一躍全国区にした75年「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」(ダウン・タウン・ブギウギ・バンド)、76年「横須賀ストーリー」(山口百恵)で、「新たなキーワードになれば」と力を込める。現在、10月のクランクインを前に、物語のカギを握るハーフの男女や子役の人選を急いでいる。