東京五輪・パラリンピックの旧エンブレムデザイン盗用疑惑で話題となった佐野研二郎氏の葬儀と称するパフォーマンスが多摩美術大学の学園祭で行われたことについて、さまざまな意見が出た。

 8日放送のTBS系「白熱ライブ ビビット」では、問題となっているパフォーマンスの映像として、喪服姿で棺おけや遺影などを持って練り歩く一団の様子が放送された。

 このパフォーマンスについてコメンテーターを務めるお笑い芸人の千原ジュニアは「ネガティブなことをネガティブに表現しても風刺にならないと思う。ネガティブなことをポジティブにやるから笑いになったり風刺になるわけで」と持論を展開し、「だからこういう『風刺こそアート』っていうのはちょっと分からない。アートとしてのクオリティーはだいぶ低いですよ」とコメントした。

 漫画家の倉田真由美氏は「学校内のイジメでいじめられている子の机の上にお花を置いて葬式ごっこみたいなことって割とよくあるイジメの典型ですよね。いじめられている側の気持ちを考えてなさすぎる」と批判。MCの真矢ミキも、「センスの良い創造をしてほしいですよね。生きてるものをああいった葬式を出すっていうのは一番ひどい、非常識だと思う」と批判した。

 その一方で、テリー伊藤は佐野氏の遺影が「エンブレムだったらいいと思う」とした上で、「学校の校内って治外法権でいいと思う。インターネットで流されてなかったら、学内でやってたらこれは成立していると思う。学校っていうのはそういう自由があっていいと思う」と、60年~70年代の学生運動を引き合いに出し、学生自治を尊重した立場でコメントした。

 また、お笑い芸人のパックンことパトリック・ハーランは「少なくともアメリカの大学生がやっていることは、これよりも何千倍もえげつない。これはアメリカでいうとすごいかわいいものです」とコメント。米国では「基本的に大学生は社会人じゃない、常識もないというふうに見られています」という。「さらに芸術家は価値観のギリギリのところを攻めるものですから、僕らから見て『品がないな、センスが悪いな』と思っても、それをやる自由はあるんですよ。それに対して僕らも批判する自由がある。それが言論、議論の生まれるところで、すごく大事」と私見を述べ、最後に「もちろん日本人感覚でこれが不謹慎っていうのはよく分かる」と付け加えた。