演歌歌手坂本冬美(49)が、12月1日に大阪・梅田芸術劇場でコンサート「恩師 猪俣公章を謳う」を開催する。猪俣作品を中心に歌唱する芸能生活30周年イヤーを締めくくる節目のイベント。このほど日刊スポーツの取材に応じ、昭和を代表する作曲家の内弟子生活やライブへの意気込みなどを語った。

 「今年で猪俣先生が亡くなって23年。『歌詞を大切に歌え』とよく言っていた言葉の意味が、やっと身に染みて分かるようになりました。相当、時間がかかりましたけど…」

 約8カ月の内弟子時代は失敗もたくさんあったという。「和歌山の田舎にいた時には、軽自動車しか乗っていないのに先生のベンツを運転。駐車場でガリガリなんてしょっちゅうでした。サイドブレーキを引いたまま高速道路を走ったこともあります。今ごろは、天国で『えーっ、そうなの』と驚いているかも」と楽しそうに振り返った。

 いきなり80万枚を超えるヒットになったデビュー曲「あばれ太鼓」など、猪俣さんは亡くなるまでの約7年で66曲を作曲してくれた。「私の将来を見据えて作ってくれた曲もある。プロデューサー的な存在で、東京のお父さんみたいな人でした」と公私にわたる恩師にあらためて感謝した。

 ライブ当日は「好きなお酒を手にしながら、一緒にステージに立っていらっしゃるはず」と、久々の“共演”を楽しみにしている。

 ライブの様子はBS朝日で来年2月に放送予定。【松本久】