日本映画製作者協会が、最も優れた新人監督、優秀なプロデューサーに授与する新藤兼人賞の、2016年度授賞式が2日、都内で行われた。

 プロデューサー賞は、アニメ映画「君の名は。」(新海誠監督)を、邦画歴代3位の興行収入194億円のヒットに導いた、コミックス・ウェーブ・フィルム代表の川口典孝氏が受賞した。川口氏は、あいさつの中で、新海監督との出会いから、これまでを振り返った。

 「受賞のきっかけになった『君の名は。』なんですけども、新海誠監督とは15年前に会いました。彼は28歳、僕が32、3歳かな。僕は当時、商社からの出向で働いていたんですが、何か巻き込まれて、気が付いたらアニメ会社の社長になっていた。彼は、そういう力を持っていて、1人ずつ巻き込んでいくんですよね。15年来、僕は『新海と川口二人三脚』と言われて来たんですけど、15年の間に新海を支える仲間が1人増え2人増え…今は三十人三十一脚になりました」

 その上で「君の名は。」の歴史的なヒットについて、改めて感想を語った。

 「『君の名は。』が、こんなにヒットするとは、誰も思っていませんでした。新海も僕も(配給の)東宝さんも、思っていなかったと思います。それがたくさんの方に見ていただけて、業界関係の方にも評価されて、賞までいただけて、本当に光栄でございます。これからも新海誠は頑張っていきますので、よろしくお願いいたします」

 川口氏には、正賞のクリスタルトロフィーと副賞の賞金50万円が贈られた。