下がるかもしれないと心配していたNHK紅白歌合戦の平均視聴率が、関東地区で40・2%(ビデオリサーチ調べ)を記録し、前年を上回りました。NHK局内でも、下がらずに40%の大台にのって「ほっとしました」と安堵(あんど)の声が聞こえました。

 心配の要因は、最大の目玉と思われていたSMAPの出場辞退と、SMAPが出場しない場合を想定して準備したと思われる数多くの企画が、準備不足を感じさせるものだったから。特に、平野ノラは郷ひろみの歌唱前に突然、登場し、バブリーネタを披露しましたが、郷ひろみと関連性が不明だったりしました。

 最後の勝敗発表では、多くの人が白組圧勝と思っている中、意外にも9票対6票と紅組の優勝。有村架純も信じられないという表情でした。票は全部で15票。うち審査員(ふるさと審査員を含む)が11票も持っているカラクリが原因。紅組9票のすべてが審査員票。多分、紅組が大敗しないようにと同情票が集まったと思います。

 企画の多方面でちぐはぐな印象でしたが、普段はきちっとして、堅実なNHKの珍しい一面が逆に新鮮でした。近年は大物アーティストのサプライズ出場も期待できません。歌手よりも何が起こるかNHKさえ分からない波乱含みの演出が、今後の紅白に、あっていいのかもしれません。今後は紅白の新しいスタイルになるかもしれません。