カントリー・ガールズ嗣永桃子(24)の引退が惜しい。1月2日のハロープロジェクトの新春ライブを取材した。嗣永は今年6月30日での芸能界引退を表明しており、この日が最後のハロプロライブへの出演となったが、その存在感に圧倒された。

 ライブ前の囲み取材でのこと。取材にはこの日出演したハロプロ所属グループ6組のリーダーと、モーニング娘。’17に加入したての横山玲奈(15)と加賀楓(17)が出席した。各グループごとに新年の目標発表を行っていく形だったが、どこか盛り上がりに欠けたまま、淡々と発表が終わろうとしていた。最後に発表したアンジュルムのリーダー和田彩花(22)が「モーニング娘。さんがいる前で言うのもあれですけど、ハロー!プロジェクトで1番になることです」と言ったその時、嗣永が「ちょっと、カントリー・ガールズも意識してよ。カントリーじゃないの!?」と急に突っ込みを入れて笑わせた。もちろん冗談であることは誰の目にも明らかで、取材を盛り上げるための嗣永の気遣いだと私の目には映った。

 この突っ込みでスイッチが入ったのか、その後の質疑応答では「ももち劇場」が展開された。卒業に向けた心境を聞かれると、「ハロー!プロジェクトに入って5300日という日が経ちまして、あと6月30日まで179日なんですよ。『いなくなる』日なんですよ。なんか運命感じちゃって。ハロプロのコンサートに出演した回数が歴代でもナンバーワンなので、しっかりそこもパフォーマンスに表したい」と仕込んでいたとしか思えないコメントを残した。

 さらに、昨年の大みそかに同プロジェクトのリーダーに就任した和田が「リーダーを辞退しようと思っていた」と明かすと、すかさず「え、そうだったんだ。私、立候補してたのに!」と頬を膨らませた。ライバルグループを聞かれた際には「ももちはライバルはいないんですよね。しいて言うなら昨日の自分ですよね。常にかわいさも何もかもを更新していきたいと思っているので」と話し、苦笑いの取材陣を前に「以上です。今年最初の初滑りでした。ありがとうございます」と付け加え、この日一番の笑いを誘った。

 そんな嗣永に代わるバラエティー要員を聞かれた際には、「だれだろうな~。。横山ちゃんいけるかな?」と、緊張した面持ちで口数の少なかった横山を指名し、「どんどんと鉄のハートを届けていってほしいなと思います」とエールを送って、後輩に笑顔を取り戻させた。周りのリーダーたちをグンと差し置いて繰り広げられる「ももち劇場」に、自然とペンが走った。

 迫りくる卒業日当日に何をするかは明かさなかった。「伝説に残るような、記憶に残るような、忘れたくても忘れないような日にしたいと思います」。半年後が今からとても楽しみになった。