昨年3月、歌舞伎俳優片岡愛之助(44)と結婚した女優藤原紀香(45)が、梨園(りえん)の妻を懸命に務めている。愛之助は1月の東京・歌舞伎座で出演しているが、紀香は2日の初日から毎日のように歌舞伎座ロビーに顔を見せ、ひいき客などに対応している。

 記者が4日に観劇した時も、紀香は開場した朝10時半から終演の午後8時45分まで、歌舞伎座に詰めていた。愛之助は結婚後、新橋演舞場には出演したが、歌舞伎座は初めての登場となり、しかも、昼の部「将軍江戸を去る」「大津絵道成寺」、夜の部「井伊大老」「松浦の太鼓」の4演目に出演している。そのため、紀香も時間がある時はフルタイムで歌舞伎座に張り付いているようだ。

 というのも、梨園の妻にとって、歌舞伎座は他の劇場に比べて別格で、主戦場ともいえる。171センチとひときわ目立つ紀香も、松本幸四郎や中村吉右衛門ら大幹部の夫人たちとともに、休憩時間になると、ロビーに姿を現し、ひいき客にあいさつをしていた。

 記者も関係者の紹介で、愛之助夫人となった紀香と話をしたが、彼女は「片岡愛之助の家内でございます。よろしくお願いします」とあいさつし、当然のように「藤原紀香」という名前は一切出さなかった。彼女の主演ミュージカル「南太平洋」などを見ていたので、ミュージカルの話題を振ると、「愛之助も4月にミュージカルに出演します」と、すかさず新橋演舞場の愛之助の主演ミュージカルに触れるなど、内助の功に徹していた。できるだけ、女優のオーラを消して、梨園の妻に成りきろうと努力する姿があった。