今年50周年に入るベテラン漫才コンビ、中田カウス(67)ボタン(68)が10日、今宮戎神社の「十日戎」に参加し、宝恵かごに初めて乗った。

 「こいつは春から縁起がええですわ。えべっさんにお祝いしてもろて」

 カウスは満面笑みで初体験の感想を口にした。

 コンビは、68年3月に結成。戦後の上方漫才を代表する兄弟漫才の「中田ダイマル・ラケット」一門に入り、漫才を始めた。デニム姿で漫才をし、上方漫才界に新風を吹き込むとともに、抜群の間合い、しゃべくりで、自身らも現代の上方漫才を象徴するコンビへと成長していった。

 「漫才で生きて50年。若い子もどんどん出てきてるから、ベテランたちもびびってるんちゃうか。僕らも若手にとって、タメになる頼りがいのある存在でいたい」と声をそろえ、師匠の言葉へ思いをはせた。

 カウスによると、師匠から「漫才には顔がある。えべっさんのような顔になれ。縦じわはあかん、横じわやぞ。笑い顔や」と繰り返されたと言い、活動半世紀の節目に「えべっさん」ゆかりの行事に参加できることに縁を感じている。

 ボタンも「ここまで1日1歩、進んできた。これからも足元を見つめてやっていきたい」と表情を引き締めた。女性にもて、やんちゃ遊びもあった若手時代から、今なお、二枚目の雰囲気で多くの若い女性ファンを持つ。カウスからは、この日も「ボタンさんが元気やから。おかげで(50年)ね。ほんま、いろいろ、元気やから」とつっこまれ、ボタンも「アホいえ! そら、ネタだけにしとけ」と返し、漫才さながらの会話を繰り広げた。

 新年の抱負には「今年は師匠のネタをもっと、復活させていきたい」と話した2人。「風邪のネタ」など、師匠作をアレンジしたネタは十八番としているが、今後は新たに増やしていきたいという。