東映の岡田裕介会長(67)が24日、21日に脳リンパ腫のため都内の病院で死去した、俳優松方弘樹さん(享年74)への思いを語った。

 岡田会長はこの日、会長を務める日本映画製作者連盟(映連)の新年記者発表に出席し、会見終了後に記者の取材に応じた。松方さんは映画「仁義なき戦い」など、東映のやくざ映画を支えた俳優の1人だった。

 岡田会長は「寂しい思いですね。高倉健さん、菅原文太さんに続き、1世代下のスターまでお亡くなりになったのかと…。どう言ったら、いいのかね…悲しいと言うより、時代が終わったのかな」と口にした。

 役者としての松方さんについて聞かれると、自身が企画を担当した、吉永小百合主演の映画「天国の大罪」(92年)を挙げて、松方さんに感謝した。

 岡田会長 スターというより、本当の意味での役者さんだったんじゃないかな。上手な人ですよ…とにかく、何をやっても。個人的にも、ざっくばらんで、気を使わなくても済む人。これをやってくれよと言ったら「嫌だ」と言われたり「これだったらやるよ」と言われたり。「天国の大罪」の時は一番、一生懸命やってくれたし、テレビ(ドラマ)の時代劇も、いっぱいやってくれた。やくざシリーズが終わった後も、我々は、ずっと付き合っていました。

 松方さんサイドからは、入院後はお見舞いなどは遠慮されていたといい、密葬の連絡はあったものの参列はしなかったという。【村上幸将】