能年玲奈から改名したのん(23)が5日、横浜市内で行われた第38回ヨコハマ映画祭授賞式で審査員特別賞を受賞した。

 同映画祭でアニメ作品として初の作品賞を受賞した、アニメ映画「この世界の片隅に」(片渕須直監督)で、主人公すずの声を演じたことが評価された。

 のんは「このような賞をいただいて、とてもうれしく思っています。声優の声だけの演技で、こうやって賞という形で評価していただけるとは、夢にも思っていなかったので(賞の)名前の通り特別な感じを受けて感動しています」と目を潤ませた。片渕監督から受賞を聞いた時は「多分、監督が何か勘違いされていると思った」という。

 壇上で司会者から質問された流れの中で、アフレコ時に片渕監督を質問攻めにした裏話を明かした。

 申し訳なかったんですけど、話し始めたら監督が次々と丁寧に答えてくださるので、これは大丈夫だと思って。アフレコの期間が結構あったので、監督は製作をされていたんですけど、終わった時を狙って1、2、3という感じで質問して苦しめていました。

 映画祭のパンフレットに、「この世界の片隅に」について「これから先、ずっと特別な作品」というコメントを寄せたという。

 戦争を扱う作品に恐怖があって、なかなか、うん(やる)という気持ちが湧いてこなかった。このお話をいただいた時(演じる)すずさんが日常をとても楽しく暮らしていて、とても親近感を覚えて、それまで(戦争の話に)感じていたものが別世界のような気がしていたんですけど、自分の引きつけられる作品。すばらしい作品と確信したのでやらせていただきたいと思いました。

 司会から、今後について「いろいろ、ご活躍いただけますよね?」と聞かれると「あっ…頑張ります」と答え、頭を下げて降壇した。【村上幸将】