THE ALFEE高見沢俊彦(62)と指揮者西本智実(46)がタッグを組んだコンサート「INNOVATION CLASSICS2017」が都内で開催された。

 ロックとクラシック。音楽的には対極に位置するようなイメージが強いが、実は意外とその距離は近い。歴史をひもとくと60年代にはすでにそのコラボレーションは行われていた。70年代ではピンク・フロイド「原子心母」やELO「エルドラド」などが有名だが、いわゆるプログレッシブロックと呼ばれるものだった。

 記者が衝撃を受けたのはハードロックとの融合。ディープ・パープルやレインボーはライブでもオーケストラを起用していたが、特に衝撃的だったのはギタリストのイングヴェイ・マルムスティーンが98年に発表した「エレクトリック・ギターとオーケストラのための協奏組曲 変ホ短調『新世界』」だ。これはまさにシンフォニーそのものなのだが、記者にとっては人生屈指のアルバムだ。イングヴェイはその驚異的な速弾きでギター奏法に画期的な変革をもたらしたと言われる存在。80年代にアルカトラスでその存在を知ったときにはあまりの速さにやっていることが分からず「なんじゃこりゃ~」だった。調べてみるとメタリカやスコーピオンズもオーケストラと共演しており、ハードロックもクラシックとの距離が近いことを改めて感じたのだ。

 同コンサートは昨年に引き続き2年連続の開催。THE ALFEEの曲は「恋人達のペイヴメント」「Orionからの招待状」が披露されたが、オーケストラと共演することでそのスケール感は圧倒的な壮大さを感じさせた。もちろん原曲の良さもあるだろうが、その荘厳さはまさに鳥肌が立つ感じだった。2部構成で開催されたが、第2部ではムソルグスキー作曲ラヴェル編曲の組曲「展覧会の絵」を披露。同曲はELPがアルバム収録しており、往年のロックファンであれば知らない人はいないと言っても過言ではないだろう。そんな名曲だけに記者の期待も高まったが、高見沢との西本とのコラボレーションはまさに鳥肌物だった。

 同公演は3月、大阪でも開催される。音楽ファンならぜひ体験して欲しい。