先日、天才子役の芦田愛菜ちゃん(12)が、都内の超難関の名門中学校に受験合格したとのニュースがありました。これまで公になっていませんでしたが、愛菜ちゃんは、1年ほど前から芸能活動を意図的に減らして、受験勉強を頑張っていました。私は、受験勉強中心の生活にシフトチェンジし始めたころから知っていたのですが、当初は、まさか本当にここまで偏差値の高い学校に受かるとは思いませんでした。セリフ覚えと学業が同じとはいいませんが、本当に優秀だったということです。

 思い起こすと、私のことも1度取材をしたら、1年後に再会したときも、きちんと覚えていてくれていました。そもそも記憶力がずぬけているのでしょうし、同時に気遣いができる、いわゆる“場の空気を読む”ことのできる頭の良さを、毎回感じていました。

 さて、芸能界は入れ替わりの激しい世界です。愛菜ちゃんが仕事をセーブしている間に、新たな子役が次々と頭角を現してきました。女の子だけでも、数年前から、本田望結ちゃん、鈴木梨央ちゃんが、愛菜ちゃんとともに大活躍しています。そこに加えて、ここ数カ月で、さらに2人の女の子が、業界の評判を急速に上げてきています。

 1人は、伊東蒼ちゃん(11)。日本アカデミー賞の優秀作品賞にノミネートされている映画「湯を沸かすほどの熱い愛」で、家出していた夫(オダギリジョー)の隠し子役を演じました。主人公の母親(宮沢りえ)と長女(杉咲花)が、年末からのいろんな映画賞で表彰されていますが、この蒼ちゃんも、2人に負けず劣らずの好演を披露しています。さらに1月から公開された初主演映画「島々清しゃ(しまじまかいしゃ)」では、演技派女優の安藤サクラを相手に、堂々と渡り合っています。敏感すぎる聴覚に悩まされる沖縄の離島の子供という、難しい役どころを、得も言われぬ趣の哀愁ある表情(特にまなざし)で、見事に演じきっています。

 もう1人は、先週末に公開されたばかりの生田斗真主演映画「彼らが本気で編むときは、」で、トランスジェンダーのリンコ(生田)と、その恋人男性(桐谷健太)の家族を築いていく小学生女子トモを演じた柿原りんかちゃん(12)です。今作が銀幕デビューですが、小2のころからミュージカル舞台に数多く出演。名作「ピーターパン」や、帝国劇場で井上芳雄、山崎育三郎、市村正親や花總まりらと共演した「モーツァルト!」など、ミュージカル界の王道を歩んできた経歴の持ち主。さわやかな笑顔が印象的ながらも、言葉に出さない感情も細やかな演技で表現しています。

 いずれも、2人の子役の演技力が、作品の感動を倍増させています。今後、必ず見かける機会が増えていくはずなので、名前と顔を覚えて損はありませんよ。