グループサウンズ「ザ・スパイダース」のメンバーとして一時代を築いた歌手ムッシュかまやつさん(本名・釜萢弘=かまやつ・ひろし)が1日午後6時5分、膵臓(すいぞう)がんのため都内の病院で死去していたことが2日、分かった。78歳。東京都出身。通夜、葬儀は近親者で営む。後日、お別れの会を開く予定。喪主は長男のミュージシャンTAROかまやつ。かまやつさんの妻も、夫の亡くなる数日前に死去していた。

 長髪にニット帽がトレードマーク。ひょうひょうとした語り口で、世代を超えた音楽ファンに愛されたかまやつさんが、長い闘病の末に逝った。都内の自宅マンションには生花が届けられ、遺体は都内の別の場所に安置されたとみられる。

 関係者によると、今年1月10日に体調を崩して都内の病院に入院。当初は食欲もあったものの徐々になくなり、約2カ月の入院生活の末に、親族らにみとられて息を引き取った。苦しむことはなく、おしゃれなかまやつさんらしく、大好きなニット帽をかぶっていた。この数日前には、同じく長い闘病生活の末に、妻も亡くなっていた。

 最初に体調を崩したのは15年秋だった。黄疸(おうだん)が出たので病院で検査をすると、膵臓がんと判明。昨年5月の検査では肝臓がんが見つかった。通院治療をしたが、8月には脱水症状を起こして病院に緊急搬送された。9月に「肝臓がん」の病名を発表した際には「絶対に復活するから心配しないでください」とコメント。再起を誓っていた。