「続編(つづき)は北三陸(ここ)にある」。

 今月4日に、AKB48の東日本大震災の震災復興支援活動の取材で岩手県岩泉町へ赴いた。まず同久慈市へと入り、そこから電車で1時間ほどの岩泉町へと向かうのだが、その道中の久慈市内で何度も目にしたポスターに書いてあった文言がそれである。

 久慈市はNHKドラマ「あまちゃん」で一躍脚光を浴びた。地元住民に聞くと、今でも国内だけでなく、東南アジアを中心とした海外からも観光客が絶えないという。同ポスターも久慈商工会議所が窓口となり、あまちゃん観光推進協議会が作成したものだ。13年の同ドラマ放送からもう4年がたとうとしているが、まだまだ「あまちゃん」フィーバーの面影は残っていた。

 乗車予定の三陸鉄道の電車の時間まで少し余裕があったため、久慈市内を散策してみた。道中で、あまちゃんのロケでも使用された駅近くの喫茶店に入ってみた。店内には主演の能年玲奈をはじめとしたドラマの出演者らの写真やサインがところ狭しと飾られていた。その中で気になるものを見つけた。さかなクンのサインだ。

 確かに、さかなクンは同ドラマに能年演じる天野アキと、架空の番組であるNHKの子ども向け番組「見つけてこわそう」で共演していた。しかし、理由はそれだけではないようだ。店主に聞くと「さかなクンはつい先日も来たよ。水族館に来るついでに来ているみたい」。

 水族館とは、同市内にある地下水族科学館「もぐらんぴあ」のことである。震災で全壊してしまったが、昨年4月23日から営業を再開。震災前から同施設に携わっていたさかなクンは、テレビのロケなどを通じて定期的に同水族館を訪れているという。同店主は「久慈に来る度に、よく店にも来てくれるんだ。ありがたいよね」。

 能年や小泉今日子らをはじめとするドラマのメインキャスト陣の訪問に注目がいきがちだが、店を出て市民に話を聞いていると、必ず「さかなクンが来ている」との声が上がる。それだけ地元住民へ与える印象は強いのだという。新たにオープンした同施設の4階には「さかなクンコーナー」も設けられている。

 次回の久慈市散策の続きは、もぐらんぴあから始めてみようと思った。