主演女優賞は「君の名は。」の上白石萌音(19)が受賞した。上白石は感激の面持ちで、声を震わせてスピーチした。

 上白石 本当に、ありがとうございます。ずっと(受賞の)実感が湧かないまま会場に来まして、そうそうたる声優の皆さまの、お言葉を聞いて、トロフィーをいただいて、一気に実感が押し寄せてきました。何か、少し泣いてしまいそうな気持ちです。「君の名は。」のアフレコ期間は、すてきなキャストの皆さまとと一緒にお芝居させていただいて、声や息遣いでこんなにも繊細に、深く感情を届けられるんだ、ということを教えていただきました。表現するということに対しての考え方が広がった、切り口が増えたような、濃厚なアフレコ期間でした。オーディションの時から、私が何も分からない0の時から、温かく支えてくださった新海誠監督をはじめとするスタッフ、キャストの皆さまに、心から感謝申し上げます。

 主演男優賞は、同じく「君の名は。」の神木隆之介(23)が受賞し、同作が主演男女優賞を独占した。神木は、この日、主演映画「3月のライオン」前編(大友啓史監督)が初日を迎え、スケジュールの都合で出席できず、会場にビデオレターを寄せた。

 神木 この度、こんなに名誉ある、すてきな賞をいただけて、本当に光栄に思っております。本当にありがとうございます。本来は会場にお伺いして、皆さまに直接、お礼と感謝の気持ちをお伝えしたかったのですけど、参加できずに残念です。この賞をいただけたのは、新海誠監督をはじめ、すてきなスタッフ、キャストの皆さまに支えていただいて、いただけた賞だと思っております。本当に感謝の気持ちしかありません。ありがとうございます。これからも1人の役者としてお仕事、頑張っていきますので、なにとぞよろしくお願いします。

 上白石はスピーチの最後に、欠席した神木について触れた。

 上白石 今日は会場にいらっしゃらなくて、残念なんですが、神木さんと一緒に、こうして2人で賞をいただけたことは、何よりもうれしいです。(演じた)瀧と三葉は2人で1つのような関係なので、彼らにも恩返しが出来たかなと思っています。

 上白石の目には、感激の涙が浮かんでいた。【村上幸将】