俳優内藤剛志(61)主演のテレビ朝日系連続ドラマ「警視庁・捜査一課長 シーズン2 ヒラから成り上がった最強の刑事!」(木曜午後8時)が、13日にスタートする。

 12年から2時間ドラマ、昨年4月に連ドラ、そしてシリーズ2作目。ドラマと同じく、脇役から主役へとステップアップしてきた内藤に聞いてみた。

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 ずっとテレビのドラマで活躍している。テレビ離れが言われる、今の時代を感じている。

 「確かに評価が数字しかないでしょう。やっぱり、そこで戦わなきゃいけないっていうのは、これは逃げるべきものではないと、僕は思っている。ただ、そこだけで評価されるのは、ちょっと違う時が来たのかなと。例えばだけど、ダウンロードして違うメディアで見るやり方がありますよね。だから、必ずしも数字がね。全然違う世代の人が、どんどんダウンロードしていると。わかりやすく言えば、若い人はダウンロードして見られるでしょ。だから、一見悪いからっていって、駄目じゃないっていうのはあるんです。あるんですが、それ(数字=視聴率)を言われるからにはそこで戦わなきゃいけないんだから、しょうがないですよね。視聴率は関係ないっていうのは、やっぱり言えないんじゃないですかね。答になってるかどうか分からないんですけど、視聴率に関していえば、ある限りはそれで戦おうと思います。で、もう一個。それもあるんですが、とにかく面白いものを作るって事が大前提でしょう。そこに対して気持ちがブレないようにはやりたいと思いますね。ただ、評価の仕方が変わってくれるとうれしいです。視聴率じゃないやり方も加わって来てくれるとうれしいと、僕はずっと思ってはいます」

 定年のない役者という仕事。

 「まあ、身体が動ける限りとは思っていますけども。これはまあ、オーダーされていくものですからねえ。ただ、老人はやってみたいです。いくつに見えるかわからないけども老人。若者…10代もやりましたし、20代、30代と、ずっとやってきたので、それって大きくいえば、若者であって、中年であるでしょう。つぎ、老年ですもんね。だからもっと行かなきゃ駄目ですよね。僕の捜査一課長を見て、老人のドラマと見る人は誰もいないと思う。ま、中年のおっさんがやってると。老人っていうと、本当に、僕が80歳ですよ、生きてたらですけど。80歳くらいになって、おじいちゃんの役、老人をやってみたい。日本も高齢化社会になって行くんであるから、老人のドラマももっとあっていい気がしますんで、そういう意味で言えば、生き延びなきゃ、ですよね」

 シリーズ2作目。テレビ朝日では、天海祐希主演の「緊急取調室」もシリーズ2作目。水谷豊主演の「相棒」は、今年10月からシリーズ16作目が始まる。

 「公にいってる事ですけども、やっぱり、ライフワークにしたいと思ってます。最初は2時間ものとしてライフワークが欲しいと思っていて、いろいろご相談して作っていただいた。それがレギュラーになりました。ライフワークっていっても、この役は在職してないと駄目ですから、そういう風に見える限りはやってみたいですね。『いや、これ絶対ありえないよ!』ってなったら、あれですけどね。僕、これからやるドラマは、みんな、そうやりたいんです。長いスタンスでやっていきたいって思っています。できれば10年ですよね、まず単位としてはね。10年先までは、まあ70歳とちょっとですか。やれたらいいなあと思います」

 老いを感じていると言うが、身体に悪いところはない。

 「ジムに行って、簡単な事ですけど歩くやつとか。何かをしなきゃいけないっていうことはなくてね。まあ中年になったから飲まなきゃいけない薬はいくつかあってですね、高血圧とか。そういうのはあるんですけど、入院加療が必要なのは、今のところはありません。もう、これだけですからね。趣味も楽器とか触ってたりしますけども、基本的には演技をする事。仕事とは思ってなくって、趣味みたいなもんじゃないですか。なので、休みの日はその準備をしています。まあ、こうやってシーズン中になると、本当に、どんどんどんどんやらなきゃ間に合わなくって。休みが、現実に休みになってないですよね。休みは、いらないですねえ。っていうか、体力をね、温存しなきゃいけないんで、それは欲しいんですよ。だから今日の撮影が終わって、明日は1日オフ。明後日に撮影があると、明日は僕、何もしないで、身体をとにかく休める。それは大事なんですよね。やっぱり、睡眠をちゃんととってなかったら、パフォーマンスが悪くなります。これも老化だと思います。今日は思いっきり長く寝なきゃって思って、意識して寝る時はありますよね。老化だと思いますよ。それも」

 その他大勢から芽を出し、花を咲かせ、実をならせた。ゆっくりと枯れていく時が来るのを、楽しみにしている。

【小谷野俊哉】