英マンチェスターで先月22日に行ったコンサートがテロの標的となった米歌手アリアナ・グランデ(23)が4日、被害者のための慈善コンサート「ワン・ラブ・マンチェスター」を開催し、再び同地でステージに立った。

 事件現場からさほど離れていないオールド・トランフォード・クリケット競技場で行われたコンサートは、3日夜にロンドンで起きたテロ事件を受けて武装した警察官らによる厳戒態勢が敷かれる中、5万人のファンが集まり、「テロに屈しない」姿勢を示した。ケイティ・ペリー、マイリー・サイラス、コールドプレイ、ジャスティン・ビーバー、アッシャーら豪華アーティストもサポートに駆けつけ、ステージに登場。グランデは地元高校生をステージに上げてヒット曲「マイ・エブリシング」を合唱したほか、コールドプレイのクリス・マーティンとオアシスのヒット曲「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」も披露するなどし、会場は大きな歓声に包まれた。

 コンサート終了直後に起きた自爆テロでは22人が死亡し、100人以上が負傷。事件直後は大きなショックから欧州ツアーをキャンセルして米国に帰国したグランデだったが、被害者支援のために慈善コンサートを行うことを発表。公演前には爆発で負傷した子供たちが入院する病院を見舞うなど、支援に取り組んでいる。公演の収益は遺族と被害者のためにマンチェスター市が英赤十字と共に設立した基金に寄付される。(ロサンゼルス=千歳香奈子)