歌舞伎俳優の市川海老蔵(39)が7日、都内で行われた「第36回ベスト・ファーザー イエローリボン賞」発表・授賞式後、囲み取材に応じた。

 その中で、在宅医療を選択し、自宅で乳がんの闘病を続ける妻小林麻央(34)について聞かれ「私は支える側なんで。最善の手を選択していくことを、協力的に、いろいろなことを学びながらやっていく。治すのは、やはり本人ですから。自分としては最大限のバックアップをしていくことが、彼女にとって1番の回復への近道」と強調した。

 妻が在宅医療を選択し、短期入院から1カ月ぶりに帰宅したことについて聞かれると「それは、やっぱりうれしいです」と答えた。その上で「在宅というのは、なかなか大変なので、いざ何かした時に、予備知識…さまざまなことを準備することが家族の責任。そういうことを怠らないように日々、家で過ごすと緊張感がある」と実情を語った。

 そして「家の中でも緊張感がある。舞台の上でも緊張感がある。こういうところ(取材の場)でも緊張感がある…私がリラックスする場は、ほぼない」と言い、笑みを浮かべた。

 海老蔵は、9日に東京・Bunkamuraシアターコクーンで開演する「市川海老蔵 第四回 自主公演 ABKAI 2017~石川五右衛門 外伝 ~」、7月3日から歌舞伎座で開演の「七月大歌舞伎」、8月には「六本木歌舞伎 第二弾 座頭市」の名古屋、大阪公演と連続で公演が控える。その中、稽古、妻の看病、長女麗禾ちゃんと長男勸玄くんの子育てを並行する日々を送っている。

 そのことに話が及ぶと「当たり前のことの難しさを、どんどん積み重ねる。稽古するのも、舞台に出続けるのも、看病することも治療の選択をすることも、自分の自己管理をすることも、子どもの面倒を見ることも、他の家族のことを考えることも、当たり前にしていく。自分のキャパシティーを大きくしていく、ということ」と淡々と語った。

 家族の現状を聞かれると「一進一退、日々、いろいろなことを模索しながら、一生懸命、家族一丸となって日々1日、1日を大切に過ごしています」と語った。この日の受賞については、家族に伝えていないといい、海老蔵は「(妻に)取ったよと伝えます」と笑みを浮かべた。【村上幸将】