ABC(朝日放送)に今春入社した新人の津田理帆(つだ・りほ)アナウンサーが14日、大阪市福島区の同局内で、取材会を開き、大阪桐蔭高時代の同級生、阪神・藤浪晋太郎投手(23)に刺激を受け、夢のアナウンサー職に就いたことを明かした。

 「同じ学校、同じ学年でも、コースが違うので校舎も違い、面識もないんですが、同い年の学校の子が(12年の甲子園で春夏)連覇して、すごいなって。学校にもカメラマンや取材の方がたくさん来ていましたし、藤浪君は野球だったけど、私はそれが勉強だったので、勉強を頑張ろうってすごく刺激になりました」

 津田アナは卒業後、阪大・外国語学部に進学。ベトナム語も学び、15年の大阪・今宮戎神社の「福娘」に選ばれ、人を喜ばせる仕事に魅力を感じ、就職先をアナウンサー一本に絞った。ABCテレビ「おはよう朝日です」のファンだったこともあり、ABCの試験を受け、合格。5月15日付でアナウンス部に配属され、研修を受けてきた。

 この日は、初めてニュースを読む「初鳴き」の稽古風景を公開。聞き取りやすい声、落ち着いた態度、振る舞いで、“初マウンド”は合格点。けいこの合間に、初取材会へと臨んだ。

 その席上で、藤浪投手から受けた刺激を語り、これまで4回、阪神戦の応援に行くなど「阪神ファン」と言い、期待の選手には当然、不調からの復活を期す藤浪投手をあげた。

 「将来的には藤浪投手のインタビュー、虎バン!(同局の阪神タイガース情報番組)も、やれたらいいですね。機会があれば、全力で臨みたいです」と話す。

 藤浪投手の高校時代、春夏連覇の勇姿は「学校が3年生は応援に行っちゃいけない。勉強しなさいと言うので、行けなかった」そうだが、受験勉強の合間に「こっそり友達と(インターネットなどで)情報を得ていました」と笑った。

 ただ、中学時代、08年の大阪桐蔭優勝はアルプスで観戦しており、高校卒業後も、応援に行っている。ABCは、夏の甲子園中継を担当しているだけに、将来的には、母校の優勝の瞬間に実況席に座る可能性もある。

 「ああ! そうなったら、同級生も、先生方も、みんな喜んでくれるでしょうね。でも、もし実現したら、まず私が冷静にいられるようにしないと」と、表情を引き締めた。

 勉強が好きな津田アナは、努力家で生真面目。指導に当たっている上田剛彦アナ(42)小寺右子(ゆうこ)アナ(39)も「新人アナウンサーとしては完璧。マジメすぎるほどマジメ」と声をそろえる。

 ただし、関西の放送局だけに、芸人とからむケースも多く、小寺アナは「フリートークがまだまだ。普段の会話でも『で、オチは?』といつも聞いていますが、まだまだですね。フリートークの採点は100点満点の20点」と、“遊び”の部分では赤点になるとか。一方で「その分、ものすごい伸びしろを持っています」と期待感を語った。

 関西の放送局では、アナウンサーの練習内容に、ニュース原稿を読むことや、標準語の発音以外にも、フリートークがある。お題を渡され、それについて、聞く者が興味を持つように話を続ける練習で、津田アナの最大の課題は「フリートーク」のようだ。

 津田アナは16日の同局テレビ「おはよう朝日です」(午前6時45分)で、視聴者の前に初お披露目。その後、同日の同局ラジオ「おはようパーソナリティ道上洋三です」(午前6時30分)の後半に出演。同局ラジオの午前11時台、午後1時台のニュースを読み、初鳴きをする。