水谷豊(64)が構想40年を経て、監督兼主演として映画化した「TAP-THE LAST SHOW-」が17日、公開初日を迎え、水谷とキャストらが都内で舞台あいさつを行った。構想40年にちなんで「夢かなう」の花言葉をもつ青いバラ40本を受け取ると、「もう少し早くもらっていれば、40年もかからなかったのかな」と笑わせた。

 けがで引退した元天才タップダンサーを主人公とし、若者たちに刺激を受けてまだ見ぬショーを演出していく様子を描いた。キャストには現役のダンサーを起用しており、ラスト24分間のショーは水谷も「僕の最高のイメージを超えた」と太鼓判を押す自信作だ。

 舞台あいさつには水谷のほか、北乃きい(26)六平直政(63)前田美波里(68)岸部一徳(70)らキャストが集まった。北乃は「現場がない日も見に行きました。ダンスで涙が出たのは初めて」とタップダンスの魅力にひかれたようで、六平は「CGを使っていない、全てが肉体の躍動」と胸を張った。

 岸部は監督・水谷豊について聞かれると「(俳優として)長い中で、いろんな優秀な監督に出会っているけど、そこをなぞることを一切しなくて、誰も思いつかなかったものをやろうという気迫を感じた。だから、監督のほうがいいのかな」とまさかの発言。これには水谷も「そんなに俳優としてダメですか」と苦笑いだった。

 水谷にとって今作は初監督作品となったが、次回作について質問されると、「今日が初日ですから、落ち着いたら思いをはせてみようかな。でも、すぐ『相棒』が始まるんですよね」と困り顔だった。