渡哲也(75)がNHK・BSプレミアム特別番組「日本人が最も愛した男・石原裕次郎」(24日午後7時30分放送)の収録で理想のリーダー像を語った。7月17日に没後30年を迎える裕次郎さんの魅力や思い出を同じ石原プロモーションに所属する舘ひろし(67)神田正輝(66)と鼎談(ていだん)の形で語り合った。

 収録は今月7日、都内のホテルで行った。渡は15年6月に急性心筋梗塞の手術を受け、現在は体力回復に向けたトレーニングに取り組んでいる。仕事現場に出たのは、昨年8月、宝酒造のCM収録以来、10カ月ぶり。また3人がそろって番組で裕次郎さんについて語り合う機会はこれまでほとんどなかった。今回、制作側と番組内容を話し合う中で渡が「裕次郎さんの魅力を伝えるなら3人そろって」という気持ちを示したこともあって実現した。

 渡は、舘と神田が待つ収録現場に笑みを浮かべて現れた。足取りもしっかりしており、表情も明るく、収録への強い意欲を感じさせた。舘と神田は同局で放送中の連続ドラマ「クロスロード」(日曜午後10時)で共演中。これを見ている渡は「すっかり(芝居が)うまくなったなあ」と声を掛けて2人をなごませた。また娘の神田沙也加(30)が5月に挙式した神田には「おめでとう」と祝福した。

 渡は収録中、身を乗り出して「既成概念をどんどん打ち破っていく行動がかっこよかった」とその魅力を語ったり、別荘で一緒に時間を過ごした時のことを「音楽に合わせて踊ることもあった」と振り返った際には、身ぶり手ぶりを交えて当時を再現した。

 遺志を継いで石原プロを守り続けているが、03年にドラマ「西部警察」のロケで人身事故を起こした時、社長だった渡は「裕次郎さんだったらどうするか」と考えて問題に対処した。「説教めいたこと、教訓めいたことはおっしゃらず、行動で示してくれた」と、生前に裕次郎さんが示したリーダー像を胸に危機に立ち向かったと熱く語った。

 収録を終えると、充実感あふれる表情で現場を後にした。