吉永小百合(72)の120本目の出演映画「北の桜守」(滝田洋二郎監督、来年3月10日公開)の北海道ロケが21日に終了した。稚内市のオープンセットを使った撮影で吉永は人生初のお姫さま抱っこをされた。

 サハリンや北海道で戦中・戦後を生き抜いた女性、江蓮てつを演じている。お姫さま抱っこは、サハリンで暮らすてつ一家が桜に感動し、記念写真を撮る場面にある。カメラのタイマーをセットしたてつのげたの鼻緒が切れ、阿部寛(53)演じる夫徳次郎が抱き上げ、子供たちや知人役の岸部一徳(70)らの輪の中に戻るという流れの中で起きる。

 吉永は撮影前、お姫さま抱っこについて、過去の映画や私生活でも「全然ないです」といい、「テルマエの阿部さんに安心して委ねたい」と、主演映画「テルマエ・ロマエ」で見事な筋肉美を見せた阿部への信頼を示した。

 阿部は撮影で軽々と抱き上げてみせ、吉永も安心したように笑みを見せた。リハーサルと本番で、抱っこは計8回。吉永は「阿部さんに抱えていただいて幸せです」。緊張していたという阿部も「吉永さんは運動神経も良いので、抱えやすい体勢を取ってくださり、2回目以降はスムーズにできました」。

 吉永は今回、30代後半からの30年を演じている。「ラストシーンでは、あっと驚くような年を重ねたシーンもある」と話すように、キャリアを重ねてもなお挑戦を続けている。撮影は今後、都内で行い、来月終了する。【小林千穂】