NHK総合で22日にスタートするアニメ「ザ・リフレクション」(土曜午後11時)試写会と会見が5日、東京・渋谷のNHKで行われた。

 「ザ・リフレクション」は、アメリカン・コミックス(アメコミ)の名門マーベルの名誉会長で、「アイアンマン」や「スパイダーマン」などを手がけた巨匠スタン・リー氏(94)と、「蟲(むし)師」「惡(あく)の華」などで知られる長浜博史監督が、10年がかりで企画を作り、原作を務めた。またポール・マッカートニーらのヒット曲を多数、生み出した英国の音楽プロデューサー・トレバー・ホーン氏、そして、日、米、英の実力派クリエイターが結集したことで放送前から話題となっている。

 物語は、謎の現象「リフレクション」に襲われ、多数の人間の命が奪われた米ニューヨークで、闇に染まった能力者リフレクティッドが引き起こしたテロに、正体不明のマスクマン・エクスオンとメタルスーツ姿のアイガイが立ち向かうところから始まる。この日、初めてお披露目された1話「セレモニー」は、日本の切り絵、もしくは版画とも取れるような絵柄で、駆けつけた取材陣、関係者を驚かせた。

 長浜監督は「アメコミのスタイルを取りながら極力、シンプルにして脳で補完する形にした。デジタルでやれることは一切、やってない。セル画より、もっと多様な表現が出来るけれど、全てやってない。プリントしたらカラーのコミックになるようにするところから共有した」と強調。「(原作の割合)はグチャグチャ。最初に頓挫した企画は10年前。どっちが何言ってたのか…全然覚えていないと2人で笑った。スタンと2人でグチャグチャになりながらやった。なかなか出来る経験じゃない」と制作を振り返った。

 主人公エクスオン役の声優三木眞一郎は、「あまりに衝撃的なフィルムで胸がいっぱい。始まったばかりで胸がいっぱいになるのはどうかと思う。このフィルムは武士が…すてきな日本人の感性で作り上げた気がした。オープニングから衝撃的。情緒、良い意味での間を怖がらない。アメコミと日本の文化のいいところが、良い意味でハイブリットになっていて、ものすごい衝撃を受けました」と感激を口にした。

 エクスオンを追うエレノア役の声優伊瀬茉莉也は「どこの場面を切り取ってもアメコミの駒割りが、そのまま映像になってる感じ…どこか和を感じる。どこに感じるのかと思ったら、日本の切り絵にすごく似ているんだと思った。薄い和紙の後ろからろうそくで灯したような…切り絵、日本昔話を感じるような懐かしさを感じた。ものすごく最新なのに…あえてハイテクを封じてやった手法に通じるのかな」と興奮気味に語った。【村上幸将】