ソロ活動30周年の桑田佳祐(61)が11日、今年初ライブを東京・六本木のビルボードライブ東京で行った。客席を通って登場した桑田は、観客とハイタッチを繰り返し「この距離で皆さんと楽しめるのは、うれしゅうございます」とあいさつした。

 同所はジャズ歌手の出演が多い有名ライブレストランで、収容人数は300人。サザンオールスターズは最大7万5000人規模のスタジアム公演を行う国民的アーティストだが、ソロ、グループを通じ、デビュー後、最少キャパシティー会場での公演となった。

 公演題名は「この夏、大人の夜遊びin日本で一番垢抜けた場所!!」。観客はレギュラーラジオ番組リスナーとファンクラブ加入者から募集し、代金は8000円。着席方式でドリンクだけが販売された。観客は主にアルコールを手に、桑田にくぎ付けになった。

 最も近いテーブル席はステージに隣接し、桑田との距離は約20センチ。桑田も積極的に観客と触れ合った。「どこから来たの」と問いかけ、福岡と答えた男性に「(豪雨に見舞われて)大変だったね。お見舞い申し上げます」とやさしく語り掛ける。誕生日当日の男性には「1曲歌ってあげようか。ユウマ君ね」と、名前入りで「ハッピーバースデートゥーユー」を歌った。「桑田! ピックちょうだい」と呼び掛けられると「はい!」と返答し、手渡した。観客をハグしたり、後ろ向きで腰を振ると、女性にお尻をタッチされる場面も。最前列の女性2人に「オレからもらったって言ってよ」と、ユーモアたっぷりにバラの花束を手渡した。歌唱中、何度も観客と握手を繰り返した。

 同所公演は前日10日に続く2日間公演。23曲中、8月23日に発表するオリジナルアルバム「がらくた」収録曲8曲も披露した。最後も客席を通り、もみくちゃになりながら会場を後にした。桑田は「マイクはいらないかな」と言うほど、観客との距離の近さを実感。桑田も観客も、スタジアム公演ではできない約2時間半の触れ合いを楽しんだ。【近藤由美子】