宝塚歌劇団星組の人気スター礼真琴(れい・まこと)が15日、シアター・ドラマシティー(大阪市北区)で、ミュージカル「阿弖流為-ATERUI-」の初日を迎え、外部劇場では初主演を果たした。

 礼は前作「スカーレット・ピンパーネル」で、一切笑わない悪役を熱演。今回は仲間ととともに故郷を守る「ザ・ヒーロー」の役柄で、正反対のキャラクターになる。本拠地の宝塚バウホール以外で、初めての“センター”を経験。初日の幕が降りた後は、感極まった表情で客席を見渡した。

 けいこ中には「え? 私、笑っていいの? みたいな感じで。今回はがむしゃらに弾けて、暴れたい」と話していたが、その通り、本番では、剣を持って立ち回り、仲間とともに笑顔を弾けさせた。

 今作は、高橋克彦氏の小説「火怨」がベース。8世紀の日本を舞台に、東北へと支配を拡大する大和朝廷に立ち向かい、故郷の蝦夷(えみし)を守ろうとする阿弖流為(あてるい)の活躍を描く。02年には劇団☆新感線が、市川染五郎主演で舞台化。15年には同じく染五郎主演で「歌舞伎NEXT」として公開されている。

 もともと、劇団☆新感線ファンの礼は、舞台版も見ており、蝦夷の独特の刀をイメージして、殺陣にも励んできた。

 礼は歌、芝居、ダンスとすべてに、高いレベルで3拍子そろったトップ候補生。スター候補がひしめく95期生の首席でもあり、劇団を引っ張る次代の大型スターとしての期待値も高い。大阪での公演は23日まで。東京・日本青年館で今月31日~8月6日まで上演される。礼にとっては、東京公演の主演も初めてとなる。