宮崎出身のシンガー・ソングライターNOBU(29)が16日、宮崎・青島ビーチパークで新曲「いま、太陽に向かって咲く花」発売記念ライブを行った。今月7日付「有線J-POPランキング」1位、12日付「オリコンデーリーランキング」18位など注目されている同曲を地元300人の前で歌った。一緒に口ずさむ聴衆もいて「最高でした。楽しさが歌にも乗った気がします」と“凱旋(がいせん)”に笑顔を見せた。

 実は5年前、歌手名「N.O.B.U!!!」でアルバム「POWER TO THE PEOPLE!!!」を発表してメジャーデビューした。しかしオリコン最高位が212位と振るわず、その後も苦戦。14年にレコード会社から契約を解除された。

 それでも歌手活動はやめなかった。全国のイベント関係者に直談判して、北海道から沖縄まで全国200カ所以上でライブを開催したり、イベントに参加したりした。数人しかいない会場で歌ったこともあった。「悔しかった。それでも逆に少ない分、自分から歩み寄ろうと思ってから、不思議とファンも増えていったんです」。父親からは常に「1つでもいいから、負けないものを作りなさい」と教育されていたこともあり「それは自分にとって音楽でした」。あきらめずに3年間、1人で走り続けた。

 今年3月、再びメジャーデビューの道が開けた。地道な活動が音楽関係者の知るところになり、12年に発表した「太陽に向かって咲く花」を、ロックバンド「シングライクトーキング」の佐藤竹善(54)がアレンジを手掛けて「いま、太陽に向かって咲く花」として歌うことになった。

 故郷での記念ライブ前日15日に福岡で発売イベントを行い、この日未明に東京でTBS系音楽番組「音楽の日」に生出演後、その足で宮崎入りするあわただしさだが、それも注目歌手の宿命。「2~3人の前でも大勢の前でも、自分の歌で楽しんでもらいたいという思いは変わりません。これからも頑張ります」。目標はNHK紅白歌合戦出場。あきらめない心で夢をつかみ取る。【大友陽平】

 ◆NOBU(ノブ)1988年(昭63)7月3日、宮崎県生まれ。5歳からピアノを習い、97年頃から実兄とバンドを結成。18歳の時にバンドは解散、ソロのシンガー・ソングライターとして活動を開始。12年「N.O.B.U!!!」名義でソロデビュー。今年7月に「NOBU」として再デビュー。目標は小田和正、槙原敬之ら。趣味はスケートボード。