ロックバンド「RED WARRIORS」が15日、大宮ソニックシティ大ホールでデビュー30周年記念ライブを行った。ボーカルのダイアモンド☆ユカイ(55)が開演前の囲み取材で語った自身の子供たちの将来への思いが、とても印象に残った。

 取材陣から「子供たちも将来はロックンローラーか?」と聞かれた時である。ユカイは答えた。「それだけは困るけどね。将来は弁護士とか医者とかね。そっち系統狙ってね」。驚く取材陣を尻目に、こう付け加えた。「ロックンローラーだからこそ、反面教師で。俺のオヤジ、公務員だよ。おふくろも公務員だから」。

 その答えに妙に納得できた。私の父親も公務員で、朝早く出て、夕方には家に帰ってくる姿をいつも見ていた。今の私は、正反対のような生活を送っている。どちらがよいのかは人ぞれぞれだが、当時の私には父親とは違うような職種で働いてみたいという思いがあっただけに、その言葉に強く共感できた。

 実はかつてユカイは公務員になるために1度バンドをやめ、それがきっかけでギターの木暮“shake”武彦がレベッカをつくったという思わぬ昔話も飛び出した。しかし、結局公務員にはならずにバンドへと戻ってきた。「(公務員を)受けることすらできなかったね。多分、向いてなかったんだね。難しかったよ」。取材陣からロックンローラーと公務員、どちらが難しいか聞かれると「公務員だよ」とハッキリ答えて笑わせた。

 この日のライブには、7歳の娘と5歳になる双子の息子2人も来場しており「いつも自分が歌っているところを見ると3日ぐらい尊敬してくれるから、今回は1週間ぐらいは尊敬されると思う」と笑顔で話していた。父のロックな姿を見た子供たちは何を感じただろうか。その将来の選択に、ひそかに注目している。