日本初演となるミュージカル「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」(10月1日まで=東京・TBS赤坂ACTシアター、10月15日~11月4日=大阪・梅田芸術劇場メインホール)のプレスコールが21日、同所で行われた。

 全世界で1000万人以上を動員し、さまざまな演劇賞を受賞してきた作品。バレエダンサーを夢見る少年が、たくさんの大人たちを変えていく姿を描いた。

 主人公ビリーは、応募総数1346人からオーディションで選ばれた。演技や歌唱だけでなく、タップダンス、バク転、フライングなどさまざまなエレメントが求められる役どころで、オーディションを勝ち抜いた5人のビリーたちは、1年以上もの時間をかけてレッスンに励んできた。

 19日から始まっているプレビュー公演で、トップバッターとしてステージに立った前田晴翔君(12)は、「緊張したけどどんどん楽しくなっていって、最後に幕が上がって1人でお辞儀するのは気持ちよかった!」とニッコリ。前日20日に出演した加藤航世君(13)は「すんごい拍手を貰えて気持ちよかったです」と、すがすがしい笑顔で語った。

 この日初日を迎える未来和樹君(15)は「今日これから舞台に立つのが楽しみでワクワクしています」、最年少の木村咲哉君(10)は「僕は明日本番。舞台に立ったら緊張を見せないようにしたいです」。トールボーイ役から追加キャストとしてビリー役に抜てきされ、8月からビリー役としても出演する山城力君(11)は、「トールボーイ役もビリー役も、大事に頑張っていきたい」と、それぞれ意気込みを語った。

 ビリーの父を演じる吉田鋼太郎(58)は「大人でも2カ月稽古をしました。異例の長さです」と、じっくり時間をかけて作品と向き合ってきたことを明かし、「実が結ばれた初日でした。お客様の反応がすごかった。頑張れば結果が出ると、58になってあらためて実感しました」と感慨にふけった。ビリー役の5人について聞かれると「2カ月前(の会見)では、この子たち全然しゃべらなかったでしょう?」と子どもたちの成長に目を細め、「終わる頃には『吉田、おはよ!』って言われてるかも」と笑わせた。