東日本大震災の被災地に元気を届けようと、福島、宮城、岩手の東北3県をタレントランナーたちがたすきをつなぐ、「RUN FORWARD KANPEI みちのくマラソン」7日目は18日、宮城/東松島市出身のパンサー尾形貴弘(40)がアンカーを務め、仙台市の楽天Koboスタジアム宮城にゴールした。プロ野球「楽天ーソフトバンク」のパ・リーグ首位攻防戦の試合開始前に、超満員のスタジアムを盛り上げました。

 尾形は球場までの約5キロのコースを走行。レフトスタンド横の通路から球場に駆け込み、外野から一気に全力疾走でホームベース付近に張られたゴールテープを切って「きょうは楽天が勝ちまーす! サンキュー!」と得意の雄たけびを上げると、球場は大歓声に包まれた。この日のランナーを務めた間寛平(68)やパンサー菅良太郎、げんきーず、爆笑コメディアンズが出迎えてパフォーマンスを披露しました。

 地元出身の尾形は大の楽天ファン。初めて走った”聖地”に「芝生が走りやすく、しかも試合前の最高のタイミングでみんなにこっちを向いてもらって本当に気持ちよかった。最後はボルト並みに速かったと思います」と興奮して話した。パンサーは過去に仙台の東北放送で「地元スポーツ応援団スポッち!」のMCを務めていた時に、楽天イーグルスの戦いを追いかけていた。取材を通じて選手たちの知り合いも多く、尾形は「特に松井投手と東北出身の銀次選手は小さいのによく頑張ってるから応援してます」と話した。

 尾形がみちのくマラソンを走るのは昨年に続き、2度目。震災時、実家は津波に流され「僕の家があったところはいまは畑。周りも、今でも全く家が建ってないんです。みんな同じところに家を建てるのが怖いんです。そう思うと復興はまだ進んでないですよね」。そして「来年もまた走りたい」と東北の復興まで走り続けることを誓った。

 寛平は「沿道に出てくれて声をかけてくれることが本当に多くなった」。ゴール後には仮設住宅や復興住宅を訪問し、ふれあいイベントも開催。「おじいちゃん、おばあちゃんに喜んでもらえるのがうれしい」。今年で6回目で、「顔見知りもたくさんできました。抱っこして写真を撮った子供が7歳になったと聞いて、もうそんなになるのかとびっくりした」と振り返った。試合前には楽天・梨田監督、ソフトバンク・工藤監督ともそれぞれ談笑。ホークスファンとして知られる寛平は楽天ファンからの歓声も受け「きょうはどっちも応援せなあかんわ」と複雑を表情も見せていました。