演歌歌手小金沢昇司(58)が21日、都内でデビュー30周年を迎えた思いを語った。1988年(昭63)のこの日に「おまえさがして」でデビューした。

 「歌手を志して、新宿の音楽学校で学んだのが5年。その後、北島三郎師匠の付き人として5年。そして歌手デビューをすることできました」と振り返った。

 だが、念願の歌手になっても、鳴かず飛ばすの時代が続く。転機はやはり5年後。噴射式のど用治療薬「フィニッュ・コーワ」のテレビCMに出演したことだった。同CMで流れた「歌手の小金沢くん」のフレーズが同年の流行語にも選ばれた。「あれで自分の曲を知らない人でも名前と顔を知ってもらえた。やっと、歌手としてスタートできたなという思いでした」。

 その後、「ありがとう…感謝」「神楽坂」などのスマッシュヒットを重ねてきた。「今月31日に59歳。そして来年は還暦。もうここまで来ちゃったかという思いと、還暦になったら、より一層やってやろうという思いがある。自分はもともとロックをやっていた。ジャンルにはこだわらずに、これからもいろいろな曲を歌っていきたい」と誓った。

 この日、30周年記念の赤いステージ衣装が北島から贈られた。「すごく厳しい先生だけれど、こういう記念日はきちんと気付いてくれる」と感謝。そして「頑張ることは、もちろん自分のためだけれども、それが北島師匠のためにもなる」と気を引き締めた。

 寝る時のマスク着用と、のどスプレーをすることは今も欠かさないという。「のどがダメになったときが、歌手を辞めるとき。その時が来るまで走り続けますよ」。30周年の節目を迎え、「小金沢くん」はさらなる活躍を誓った。