テレビの今昔を語ってもらう連載のため、タレントの中山秀征(50)にインタビューしました。

 テレビへの愛や裏話などをたっぷりと聞かせてもらったのですが、約6時間(!)に及ぶインタビューの中で、物理的な問題で、紙面には載せられなかった印象的な話があります。

 若手だった80年代当時の、芸能界の恋愛事情についてです。当時は、まだ携帯電話も、ましてやLINEなども普及していなかったため、連絡先を交換するのも大変な時代でした。

 では、どうやってきっかけを作ったかというと、ドラマの打ち上げ会場などで自宅の電話番号をマネジャーなどに見つからないように、こっそり渡したりしていたそうです。

 「別れ際に握手をするんですけど、手に連絡先を書いた紙を、隠して渡すんです。(受け取ってもらえなくて紙が下に)落ちたら終わりだって思いながら。それこそ、一線を越えるような思いでしたよ」と、懐かしそうに振り返りました。歌番組などでは、ひな壇に座っている時に渡すというテクニックもあったそうですが、終了後、その場に電話番号を書いた紙が放置されていたなんて話もあったそうです。

 そして、めでたく番号を交換できると、今度は連絡先が実家だったりするというハードルがありました。「電話にお父さんとか出ちゃうかもしれないから、電話をする前にリハーサルしたりして、気合が入りましたよね(笑い)」。

 テレビが、時代と共に変化しているように、恋愛事情も変わってきていると、話を聞きながらあらためて感じさせられました。