女優黒木瞳(56)が16日、大阪市内で開幕した米アカデミー賞公認国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア大阪2017」で、トークイベントを行い、短編では初監督作になった「わかれうた」についての“勘違い”を告白した。

 「わかれうた」は、中島みゆきのヒット曲を肝に、高校時代の淡い思い出をつづった作品で、今年3月に撮影。この日の初日に上映された。

 黒木によると「実際、高校の修学旅行で、ギターを持ってきた男の子がいて、そこで『わかれうた』を歌ってくれた」ことから着想したものだったが、撮影を始めると「あ、歌ってくれたのは『わかれうた』じゃなかった! 『酒と泪と男と女』だった」と記憶違いに気づいたという。

 切ない高校時代の思いを等身大に描いた作風だけに、黒木は「『酒と-』だったら、まったく違う作品になっていたから、記憶違いをしていてよかったなと思います」と苦笑しながら、制作秘話を明かした。

 黒木は大学進学が決まっていながら、両親に内緒で宝塚音楽学校を受験。合格し、宝塚歌劇団へ入った経緯があり、駆け抜けてきた青春の中で、高校時代の思い出は貴重でもある。

 「修学旅行でギターを弾き語ってくれた子は同じクラスだったんですけど、帰りの夜行列車で、ずっとしゃべっていて、そのときは『あ、私、この男の子、好きなのかな』と思った」

 ところが、修学旅行を終え、普段の生活に戻ると「その後はしゃべることもなかったし、そういう気持ちはなかった。夜行列車だけでのできごとでした」と振り返った。

 女優として活躍する黒木は、昨年公開の「嫌な女」で劇場用映画を初監督。今回は短編に初挑戦。今後についても「昨年(の公開作)は、1回限りと思っていたら、今回、お話をいただいた。今後もまた、オファーがあればうれしいですね」と話していた。