ベッキー(33)が14年ぶりに舞台に出演する。

 タイトルは「三途会~私の人生は罪ですか?~」(11月22日から、東京グローブ座)。

 主演を務める今田耕司と、演出を担う放送作家の鈴木おさむ氏のコンビによる舞台の第6弾だ。昨年の川谷絵音(28)との不倫騒動以来、芸能界での立場が激変したベッキーにとって、非常に重要で、意味のある舞台になるのではないかと感じている。

 先日、取材する機会があった。騒動後、これまでの主戦場だったバラエティー番組への出演は減り、映画や、モデルとしての雑誌出演などが目立つようになっていた。その中で取り組む舞台への思いと、今後の方向性について聞いた。

 発する言葉の1つ1つに感じたのは、変わらぬバラエティーへの思いと、舞台にかける強い意気込みだった。「この人、本気でやってるとか、(体から)波動で出ると思うんですよ。全身全霊でぶつかってるなっていうのが出ると思うから、しっかりとそういう気持ちを持っていきたい。私は1番新人ぐらいの気持ちですね」。

 舞台については、おおまかなストーリーが明かされているだけで、役柄など詳しい部分はベールに包まれたままだ。演出の鈴木氏は「今のベッキーだからこそ演じることの出来る役を演じてもらいます。僕はいつも、その人自身が持っている『種』を最大限に利用させていただくので、ベッキーの中の力がどんな花を咲かせるのか楽しみです」とコメントしている。

 ベッキーも「詳しい内容はまだ言えないです。言わない方が面白いので」と話す。ベッキーがセリフの多い役だということ、そして舞台のサブタイトル「~私の人生は罪ですか?~」を自筆でポスターに書くようスタッフに要請されたこと、舞台後半に驚くべき展開が待っていることなど、少しだけヒントをもらった。推測だが、昨年の騒動の件も入ってくるのだろう。編集のきかない舞台では、今田らから容赦のないアドリブも飛んでくることが予想される。その中で、どんな対応をみせるのか。そして、観客はどんな反応を返すのか。そこには生身で向かい合う舞台ならではの緊張感が生まれるだろう。

 99年のデビュー以来、バラエティーだけでなく、歌手や女優としても活躍してきた百戦錬磨のベッキーでも、舞台はまた話が違うという。「どれだけ緊張するんだろうなっていうのはあります。この数年で歌の活動もしましたけど、リハーサルが完璧でも、本番で喉が開かなかったり、歌詞を忘れたりとか、ステージって本番にならないとどうなるかわからない。正直、(舞台も)お約束はできないです。場数を踏んでも、別物なんですよね」。

 運命の幕は、約2カ月後の11月22日に開く。昨年末の出演オファー時には「希望の星のように見えた」と話す舞台で、どんな輝きを放つのか。今回の舞台で、今後進むべき道しるべがくっきりと浮かび上がる気がしてならない。