福山雅治(48)が19日、東京・TOHOシネマズスカラ座で行われた主演映画「三度目の殺人」(是枝裕和監督)公開記念舞台あいさつに登壇した。

 福山と是枝裕和監督(55)は、14年「そして父になる」以来3年ぶり2度目のタッグを組んだ。映画のタイトルにちなみ「3度目のタッグはありますか?」と質問が飛ぶと、福山は「監督のインタビューを読んだ時に『80歳まで撮るとしたら本数は限られてくる。積極的に撮っていきたい』とおっしゃっていた。1本と言わず、何本とも…と僕は思っています」と再々タッグを熱望した。

 是枝監督は「僕も思ってますよ」と即答しつつ、福山にやらせてみたい役について聞かれると「すっごい悪いヤツ。犯罪者を(福山が演じる脚本を)どこかで書きたい」と言い、笑った。福山が「(脚本で悪役を書く際は、福山本人を題材にした)当て書きですか」と突っ込むと、是枝監督は大笑い。そして「『三度目の殺人』に着地する以前にも幾つか企画のキャッチボールは、やっているんですよ。それが実現してくれたらいいなと思っています」と再々タッグの可能性を示唆した。

 また福山は、自身が「そして父になる」の時から変わった部分について「監督も僕も確実に年を取った。土曜日(16日)にテレビで見ましたけど…僕も若かったですけど、リリーさんが若かった」と年齢を重ねた思いをしみじみ語りつつ、病院が子どもを取り違えた相手方の夫婦の夫を演じた、共演のリリー・フランキー(53)の加齢を感じたと吐露。「ちょっと(加齢の)スピード、進行が速いかな…と思った。あまり時間がたっていないかなと思いましたけど、自分は自分が年を取ったと思いました」と言い、苦笑した。客席から「そんなことないよ」と声が掛かると「いやいやいや…あるのよ、いろいろ」と意味深に言い、笑った。

 「三度目の殺人」は、福山演じる弁護士の重盛が、解雇された工場の社長を殺し、火をつけた罪で起訴された三隅(役所広司)が、1度は犯行を自供し、死刑がほぼ確実の中、弁護を担当。無期懲役に持ちこむために調査を始めた中、三隅の動機が会うたびに変わることに違和感を覚え、調査を進める中で三隅と被害者の娘・咲江(広瀬)との接点が明らかになる。ホームドラマを描いてきた是枝監督にとって、長年、挑戦を考えていた初の法廷心理サスペンス。イタリアで開催された世界3大映画祭の1つ第74回ベネチア映画祭コンペティション部門に出品され、福山も同映画祭に参加した。9日に公開され、動員62万人を突破とヒットしている。【村上幸将】