歌手安室奈美恵(40)が20日、来年9月16日をもって芸能界を引退すると発表した。この日は40歳の誕生日。今月16日にデビュー25周年という節目を迎えたことで、決意したという。沖縄出身。90年代には「アムラー」ブームを巻き起こし、ミリオンヒットを連発した希代の歌姫が、惜しまれつつステージを去る。

 ◆引退の理由は… 今なお第一線を走り続ける歌姫の、突然の引退発表だった。引退理由についても、関係者は「すべては本人にしか分からない」と口をそろえる。

 安室は、特にこの10年ほどはパフォーマンスにこだわり、アーティストとしてのイメージを保ち続けてきた。音楽番組を含め、メディアへの露出はほとんどせず。昨年はNHKのリオ五輪テーマ曲「Hero」を担当したが、年末の紅白歌合戦にも出演しなかった。

 ライブでも、簡単なあおりや感謝の言葉はあるものの、トークを挟まずに歌い踊り続けるスタイルを確立してきた。今月17日の25周年記念公演でも、キレのあるダンスや、伸びやかな歌声は健在。体力の衰えは感じさせなかったが、40歳の節目を迎え、トップコンディションのイメージを残したまま、退く道を選んだ。

 また、家族の存在も考えられる。20歳の時に長男を出産、21歳の時には母を亡くした。長男は来年5月に20歳になる。メッセージでは「長年心に思い」とつづったが、かたくなにプライベートな部分は守り続けてきた中、自身の25周年と息子の成人と、ともに節目を迎えるタイミングでの引き際を探っていたとみられる。