嵐・二宮和也(34)が23日、東京・帝国ホテルで行われた主演映画「ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~」(滝田洋二郎監督、11月3日公開)幻のレシピ再現披露会で、劇中で演じた天才料理人同様の“絶対味覚”を披露し、帝国ホテルの総料理長を驚かせた。

 「ラストレシピ-」は、1度食べればどんな味も再現できる「麒麟の舌」を持つも、料理への情熱を失った天才料理人・佐々木充(二宮)が、中国料理界の重鎮・楊晴明から失われた「大日本帝国食菜全席」のレシピを探して欲しいと依頼される物語。劇中に出てくる「大日本帝国食菜全席」は、西島秀俊(46)演じる天皇の料理番・山形直太朗が、1930年代に日中戦争前の満洲で陸軍の依頼で考案も陰謀でお披露目直前に失われた、112品目からなるという設定だ。

 帝国ホテルには、劇中の「大日本帝国食菜全席」が作られたのと同時期の100年前に、初代料理長を務めた吉川兼吉氏が考案した、286種類の西洋料理が和紙にしたためられた“吉川兼吉レシピ”が、09年に吉川家から同ホテルに寄贈されて現存する。劇中に登場するレシピのリアル版とも言えるレシピを、同ホテルの田中健一郎総料理長がレシピに書かれた当時の調理法で再現した。田中総料理長が「持っているだけで手が震える」と紹介したレシピから、二宮、西島、宮崎あおい(31)と滝田監督に2品、提供した。

 二宮はデザートの「露国風洋梨乳酪冷菓」を1口食べると「思ったより(味が)軽く感じた。もうちょっと、ボリュームを感じるかと思っていたんですけど、さわやか」と感想を口にした。それを聞いた田中総料理長は「二宮さん…すごいと思った。その通り、砂糖など(レシピより)軽めに作った。100年前に作られたレシピ通り作ったら、もっと甘い」と、現代風に味をアレンジしたこと、そのことを、1口食べて察知した二宮の味覚の鋭さに驚愕(きょうがく)した。

 1品目の「牛舌肉煮込」を食べた二宮は「まずいわけがない。自分たちが分かる味が、はるか昔にあったことが驚き。食べて時代差を感じない」と感激した。西島は「おいしいです。本当に、お肉も柔らかいし…100年前、こんなレシピがあったんですね。すばらしいです」と絶賛。宮崎も「おいしい以外、出てこない…本当においしい。添えられている、お野菜もおいしい」と笑みを浮かべた。

 「ラストレシピ-」は、人気料理番組「料理の鉄人」を手がけた演出家・田中経一氏のデビュー小説を、「おくりびと」の滝田監督がメガホンを取り映画化。秋元康氏が企画を、「永遠の0」の林民夫氏が脚本を担当する。【村上幸将】