米人気俳優ケビン・スペイシー(58)の少年に対するセクハラ問題を受け、スペイシー主演の人気ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」シーズン6の撮影が中断されることになった。配信を手掛ける大手ネットフリックスと制作会社が10月31日、発表した。

 同ドラマは米政界の権力争いを描き、日本でも人気。ネットフリックスは30日、スペイシーのセクハラ問題を非難した上で、撮影中のシーズン6で打ち切ると表明していた。だが、スペイシーへの批判が強いことから、急きょ撮影の中断を決めたもようだ。

 ネットフリックスは状況を見守るとしているが、成り行き次第では5月に配信されたシーズン5が最後となる可能性も出てきた。

 世界の優れたテレビ番組を表彰する国際エミー賞の主催団体、国際テレビ芸術科学アカデミーも31日までに、スペイシーに内定していた賞の取り消しを発表した。

 今回の問題は、現在46歳の男性俳優が14歳だった1986年に性的関係を迫られていたと米メディアに告発して発覚した。スペイシーは「覚えていない」としながらも謝罪するとの声明を発表、一方で自分はゲイだと公表した。これに対し「性的暴行の申し立てをかわそうとしている」と激しい非難が上がっている。

 米ハリウッド映画界の大物プロデューサーのセクハラ疑惑を機に、欧米では自らが受けた性的被害を告発する動きが活発化。セクハラ行為に一層厳しい目が注がれている。