一説によれば、結婚式の最初のあいさつは原稿用紙1枚、400文字程度が理想だそうです。プレゼンでもっとも相手が聞きやすいペースは、1分間に300文字だとか。そういった意味では、先日の東山紀之(51)は、「究極の75秒あいさつ」を披露したのかもしれません。

 10月26日、東京・グランドプリンスホテル新高輪「飛天の間」で行われた舞台「ジャニーズ Happy New Year アイランド」(来年1月1~27日、東京・帝国劇場)の発表会見の冒頭で、ジャニーズJr.の面々が次々と意気込みを語っていきました。全グループの代表者があいさつを終えると、ジャニー喜多川氏が手がける舞台に9年ぶりの出演となる東山が、満を持してマイクを持ちました。

 「本日はこの(ホテルの)中でドラフト会議をやっているということで、同じところでやっているにもかかわらず来ていただき、ありがとうございます。今、清宮君と同じような気持ちで立っております」

 この日、会場から200メートル離れた同ホテルの国際館パミールでは、プロ野球ドラフト会議が行われていました。7球団から1位指名され、日本ハムが交渉権を獲得した清宮幸太郎内野手(18)を引き合いに、まずは「時事ネタ」で来場者の笑いを誘いました。

 「今回、久しぶりにジャニー(喜多川)さんとさせていただくということになりまして。やはりうちの事務所は、歌って踊るというのが基本ラインでありますし、今まさに、一丸になる時だなと思っておりましたので、とてもいい話をいただいたと思っております」

 ジャニーズ事務所の伝統に触れ、特別出演が決まった心境を明かしました。

 「個人的には、マイケル・ジャクソンが亡くなった歳(50)を超えましたので、自分自身もどのくらいのことができるのかチャレンジしたいという気持ちが大変強くなりまして、今回ジャニーさんにお願いしました」

 今度は世界的なスターの名前を使って、出演の経緯を説明しました。

 「このフレッシュな40人と、ちょっとフレッシュじゃない僕がどういう化学反応を見せられるか、皆さんに楽しんでいただければうれしく思います。よろしくお願いいたします」

 後輩たちを見渡した後、前を向いて軽く頭を下げ、締めくくりました。

 時間にして75秒。文字にすると376文字。つかみ、説明、告白、笑い。全てがバランスよく、聞き取りやすいスピードで、短い時間で端的でありながら、要素も詰まったあいさつでした。同席していた芸能リポーターも「すばらしいあいさつですね。この後、何を聞けばいいのか困ってしまうくらいです」とうなっていました。

 東山は「腹筋1日1000回」「ドラマの現場まで毎日家から走ってくる」「地方ロケからの帰り道、突然バスから降りて家まで走って帰った」など、数多くのストイックな逸話で知られています。身体的なぜい肉を徹底的にそぎ落としていったように、あいさつやスピーチにも無駄が一切許さないのかもしれません。