演歌歌手冠二郎(73)が13日、東京・なかのZEROホールで、歌手生活50周年記念コンサートを行った。

 91年にNHK紅白歌合戦に初出場した際に歌った「酒場」や新曲「ふたりの止まり木」など15曲を披露した。デビューから半世紀を歩んできた道のりを、約350人のファンとかみしめた。

 開演前の会見では「ファンに感謝の50年です。デビュー当時は、こんなに歌い続けられるなんて夢にも思っていなかった。だから、5歳もさばを読んで…」。15年に発覚した年齢詐称をあらためて反省した。しかし、話題になったことで仕事の量が3倍になり、多忙になったイベントの手伝いに来ていた、みなこ夫人(42)と運命の出会いをすることができた。

 「71歳と9カ月で結婚して約1年半。今もお風呂に一緒に入るし、寝る時は手をつないでいる。一緒になるために生まれてきたという宿命を感じています」とのろけた。さらに「何をするにも一緒。独身の時はサウナに行ったけど、今は2人でスーパー銭湯。自由はなくなりましたね」と満面の笑みを見せた。

 結婚当初、夫人は歯科衛生士だったが、今はスタッフとして夫の仕事を支えている。この日は「(夫には)歌うことに集中してほしいけれど、私にすごく優しくて…。自分のことよりも人のことばかり優先している人。尊敬しています」とべたぼれだった。

 冠は今後の抱負について「50周年は通過点。これからもしっかりと歌い続けて、後世に足跡を残したい。嫁と力を合わせて頑張ります」と新妻との二人三脚を誓った。

 子どもについては、冠が「授かりものなので、自然に任せます」と淡々と説明する横で、みなこ夫人は「頑張っているんです」と力を込めた。

 この日は、カラオケ大会も行った。新曲「ふたりの止まり木」の歌唱部門では三重県の伊藤裕之さん(51)が優勝し、ヒット曲「酒場」の歌唱部門では横浜市の佐藤かつよしさん(65)がグランプリに輝いた。