歌手松山千春(61)が14日、東京国際フォーラムで全国ツアーの東京公演を行った。

 「季節の中で」「長い夜」などのヒット曲から、最新アルバム「愛が全て」収録のタイトル曲や「初雪」など17曲を約3時間かけて熱唱した。

 トークでは先日、初来日したトランプ米大統領を「『武器を買ってくれ』なんて、ばか大統領はいらない」と酷評。一方で「90歳になっても人を愛するピュアな気持ちを持ち続けてもらいたい」とファンにメッセージを送るなど、硬軟交えた“千春節”で何度も会場を沸かせた。

 後半では今年8月、搭乗した全日空機の出発が遅れ、イライラした乗客の気持ちを鎮めるために機内でヒット曲「大空と大地の中で」を歌唱したエピソードを振り返った。「あれ以来、全日空機に乗ると、キャビンアテンダントから『どうもその節は』と言われるんだ」と笑わせた。

 このことが報じられた直後、友人の笑福亭鶴瓶から電話があり、「余計なことをするな。お前は歌えるけど、おれは落語だ」と言われたエピソードも披露した。

 実はこの日、会場には歌唱を特別に許可した機長を招待していた。「秋山機長、どこにいますか。立ってください」と促して「英断でした」と感謝。「マイクを勝手に触ると航空機法違反で逮捕されるんだ」。そして、「秋山さんがたまたまおれのファンだった」とジョークを飛ばし、「機内で歌うことはもう2度とあり得ないと思います」と話した。

 ツアーは12月25日の北海道公演までで計24公演を行う。