女優市原悦子が、療養のためNHK大河ドラマ「西郷どん」(来年1月7日スタート)の語りを降板した件について22日、制作統括の桜井賢チーフプロデューサーが詳細を語った。

 市原は昨年11月に自己免疫性脊髄炎のため入院し、療養を続けている。桜井氏は「今年初期に語りをお願いして作品を作ってきた。夏ごろに退院し、リハビリをする中で準備を進めてきたが、事務所から『定期的にNHKに通って撮り続けるまでにはもう少し時間がかかる』との話があり、残念ながら降板いただく結論になった」。病状に関しては「説明を差し控えたい」とした。

 代役には俳優西田敏行を起用。かつて「翔ぶが如く」で西郷隆盛役を演じており、「鈴木亮平さんが演じる西郷の生涯を見守る語りという役割に、虚実を超えた深みや感慨が生まれる事を期待したい」。

 担当が女性から男性に変わることで語り口も変わるため、脚本の中園ミホ氏とともに脚本の修正をしているという。語りのキメぜりふ「チェスト!」は残る。20日に1話の語りの収録を済ませたばかり。西田の語りについて桜井氏は「たまらない語り口で『チェスト!』とやってくれた」と手応えを語った。

 市原はNHKを通じて「皆さんの声に支えられ、すてきな台本を傍らに置き、リハビリを続けて参りましたが、元気にNHKに通うにはもう少し時間がかかりそうです」などとコメント。西田は「『翔ふが如く』で西郷隆盛を演じさせていただいた私が、今度は西郷の生涯を見守る語りの役目を仰せつかりました」とし、「市原悦子さんが1日も早くお元気な姿を私どもにお見せいただけること、心より祈っております」と気遣った。