俳優三田村邦彦(64)が29日、大阪市内で、来春から10年目に入るテレビ大阪「おとな旅あるき旅 新春スペシャル」(来年1月6日午後6時30分=関西ローカル)の取材会で鏡開きを行い、大先輩の故藤田まことさん(享年76)から得た酒席での“金言”を紹介した。

 酒、酒席といえば、角界を揺るがす暴行事件はこの日、横綱日馬富士が幕内貴ノ岩への暴行から引責引退するまでに発展。藤田さんの代表作「必殺仕事人」シリーズに出演していた三田村は、藤田さんにアドバイスを請うと、藤田さんから「役者は役者にダメ出ししちゃいけない」と言われたことを明かした。

 というのも三田村は高校卒業後、劇団青俳養成所を経て劇団青俳から俳優デビュー。自身も集団生活に近い中にいた。

 「劇団で一番いやだったのは、稽古終わり、本番終わりで飲みに行くと、必ず芝居の話になって、ケンカになることだった。必ず誰かが『お前、あの芝居さ…』って言い出して、ケンカになっちゃうんですよね」

 そういった関係性に苦慮していた頃、必殺シリーズ出演の抜てき。大先輩を相手に不安だった三田村は、藤田さんに「イライラすることあったら言ってください。アドバイスください」とお願いしたところ、藤田さんから「役者は役者に口出ししない」と言われた。

 藤田さんはなお、こう続けたという。

 「俳優同士、若くても互いにプロなんだから、ダメな点は自分が一番、分かってるはずだ。そこを先輩だからって、他人がどうこう言うもんじゃない」

 先輩後輩の上下関係はあると同時に、プロ同士として対等の関係を求めてきた藤田さんの言葉に感心。以来、酒好きな三田村も酒席で、その通りに実行。「いろんな俳優がいて、それぞれが引き出しは違う。芝居の話は(酒席では)一切しないし、今も、バラエティーでも『あの場面は』とか言わない。陰口をたたかないようにすれば、楽しく飲める」と話した。

 鏡開きの酒を前に、酒にまつわる思い出トークを披露した三田村は、来年1月から放送10年目に入る「おとな旅-」での酒席でも、金言を守っていると明かした。

 またこの日、三田村が同番組テーマ曲「明日へのターミナル(仮題)」を歌い、8年ぶりにCDリリースの予定であることも発表。同じ「ニッパチ(昭和28年)」生まれの安藤芳彦氏が作詞、黒住憲五氏が作曲を務め「大人の哀愁漂うバラード」に仕上がったという。

 三田村は「僕ね、オリジナル曲100曲ぐらいあるんですけど、オリコン(ランキングチャート)に入ったのは1曲ぐらい」と自虐ネタで苦笑。親交のある円広志を「昔は一発屋っていじっていたけど、今思うと一発屋ってすごい。僕も新曲で『目指せ、一発屋』です」と笑わせていた。

 テーマ曲は1月6日の新春スペシャルで披露され、同スペシャルは2時間半枠。地元のJR大阪環状線を伍代夏子、コロッケ、小椋久美子、野々村真らとめぐるほか、遠方ロケも企画。橋本マナミをゲストに北陸へ、おのののかとの九州への旅も紹介される。